木の章 鹿


13 服気(ふっき)
  

  

 鹿のエクササイズの大切な練習ポイントは、服気、つまり、「気」のエネルギーを体内に取り入れること、そして背骨に「気」を通すことです。ただ、形を真似て手足を動かすだけでは、意味がありません。

 それは、太極拳の練習でどの勢を練習するときでも実は、それがあるのですが、太極拳の勢でそれを行うためには、太極拳の表面的な動作の奥に、そのような実質的なワンパターンの動作があることを理解しなければいけません。

 ごく一部の太極拳実践者は黙々と練習するうちに人知れずそれを体得している人がいるかもしれません。ただ、私が知る限り、太極拳の指導者でもそれに気づいている人はごく稀です。

 この鹿のエクササイズでその実質的なプロセスを一度体得すれば、あとは、自然に別の動物のエクササイズの中にも、また太極拳のすべての勢のなかにも「それ」が含まれていることがわかるでしょう。

 では、このエクササイズのそのそれぞれの動作で、「気」を効果的に、体の各部に運ぶ秘訣を説明していきましょう。


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